ばあやへの手紙

2017 2 25 14


ばあや、元気ですか?
家のみんなに変わりは無いですか?

お父様のご自慢の紅梅白梅は今年もお庭で見事に花を咲かせていることでしょうね。
今年はお雛祭りの段飾りを一緒に出してあげられなくてごめんなさい。
お母様は眺めるばかりだから役に立たなかったでしょう?
でも、もう急いで仕舞うこともないから、ゆっくり眺めてくださいね。

こちらへ来てもう二週間が経ちました。
幸せな毎日はあっという間に過ぎて行くものなのですね。
もう、あっしさんはどこへも行きません。
もう、心配することもありません。
ずっと傍にいてくれる、って約束してくださったから。


こちらへ着いた時、大きな荷物を持っていたから大変だったのですよ。
ばあやがあっしさんに食べてもらいなさい、ってたくさん持たせるから。
でも、あっしさんが喜んでくださったので、ばあやに感謝しないとね。

鉄道の駅の階段で難儀していたら、とても頑丈な身体つきのおばさま(こちらではアジュンマさんと呼ぶのだそうです)が後ろへすっと来て、荷物を持って階段の上まであっという間に運んでくださいました。
私は突然のことに驚いてしまって、「ありがとうございます」と言うのがやっとでした。
列車の中では親切なおじさまがご自分の行く先と反対方向なのにもかかわらず、乗り換えの駅まで送ってくださいました。
異国でこんな風にやさしくしていただいて、涙がでるほどうれしかったです。
ひとり旅の心細さもどこかへ飛んで行くようでした。

あっしさんとお目にかかる場所へ着いた頃には、たくさんの人がいらっしゃいました。
背伸びをしてもなかなか前の方を見ることができず、あっしさんが私のことを見つけられないのじゃないかと心配しました。
何をどうしていいのかわからないまま、しばらくの間そこに立っているしかありませんでした。

空は抜けるように青く雲ひとつないその風景は、清々しい気持ちを表しているかのようでした。
空気はしびれるほど冷たいのに、心はこれ以上ないくらいに温かく感じました。
あっしさんの姿を確かめられないまま、私は所在なくそこに立っていました。
やがて前の方の人垣が崩れて流れ始めました。
でも、あっしさんを見つけられない私はその場に立っているしかありませんでした。


私の視界を遮るように白い花が目の前に差し出されました。
その指先をたどってゆくと、そこにはやさしく微笑むあっしさんがいらっしゃいました。
あっしさんが私を見つけてくださったんです。
私のことを見つけてくださいね、って最後のお手紙でお願いしたことを叶えてくださったんです。

あっしさんのまなざしはその日の空のように澄んでいて、深い想いを湛えた色をしていました。
相変わらず無口でいらしたけれど、その目がたくさんのことを語っているようでした。

「来てくれて、ありがとう」

あっしさんはそう言うと、私の荷物を軽々と持って歩き始めました。
私は歩幅の大きいあっしさんに小走りでついて行くのが精一杯…

ふと、あっしさんは歩くのを止めて振り返り、荷物を持たない手を私の方へ差し出しました。
そして私の手を取って、今度はゆっくり歩き始めました。
離れていた時間を取り戻すかのように、ゆっくりと。
すっかり冷たくなった手のひらを温めるように、やさしく握って。
ときどき私の方を見ながら頷いてくださいました。
私は本当にあっしさんが帰って来てくださったんだ、と確かめるようにその温かな手を握り返しました。


ばあや、私 ちゃんと行けましたよ。
親切な方に助けていただきながら、ひとりで行きましたよ。
帰る時はひとりじゃないから安心してね。

もうすぐ帰ります。
だから、待っていて。


私は幸せです。





2017-02-25(Sat)
 

会長ぉ、わんこになる~最後のミッション

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あっしさんへの最後のお手紙…たぶん。
厳しい寒さの中、会長ぉが届けてくださったんです。
いつもありがとうございます。

そして、今回は特別な着ぐるみを用意なさったそうです。
あっしさんが必ず構ってくださるようにと。
その様子はこちらから飛んで確認なさってくださいね。

あっしなリダ同好会 * 十六通目…最後のお手紙お届けしました

会長ぉったらトレンドに敏感、シムッチブームをキャッチしてわんこになりました。
それでね…にまにま。
あっしさんのお布団に潜り込もうとなさったんですよ、しかも3回!!
すべて未遂に終わりましたが…残念でしたね。

あっしさんのためにわんこを演じきった会長ぉにアカデミーわんこ賞を贈りたいと思います。
隣に寝ていた青年(美容師さんのタマゴかしらん?)がわんこだと信じ切っていましたから。


会長ぉのお手紙お届けエピソードが大好きでした。
今度はどんなアイディアを駆使して届けてくださるのか楽しみにしていました。
時に、それが負担になるのでは、と心配しましたが、大丈夫…だったみたいですね。



お留守番の間にそれぞれのブログを行ったり来たり。
こんな風にやり取りができるとは思ってもみませんでした。
こちらの投げかけに応えてもらえる、ってすごくうれしかったです。
何より、あっしさんというキャラクターを創ってくださったことに感謝です。
私の愛してやまない、あっしさん♫

会長ぉ、ありがとうございました。



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2017-01-15(Sun)
 

あっしさんへの手紙 十六通目は最後の手紙

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あっしさん、新しい年をいかがおすごしですか?
こちらはいつになく暖かな日が続いておりました。

いつものように初詣はばあやと神社へ足を運び、手を合わせて参りました。
こんな時は誰もが神様にお願いをしたい気持ちになるものですね。
ばあやの言いつけ通り、四十五円(始終御縁)をお賽銭に投げて。
あっしさんとの御縁ができたから、もういいのかしらと思っていたらそうでもないようです。
「お嬢様、御縁というものは人の御縁ばかりではないのですよ。
お金の御縁や健康の御縁、ご両親の長寿の御縁もおありになるでしょう?」
だから、ばあやの長寿とあっしさんとの御縁が更に深まるように手を合わせて来ましたの。


風の便りによるとお健やかにおすごしのご様子と聞き及んでおります。
お元気なのですね、良かった。
暦を数えてみたら、あと三十六日でお戻りになるんですね。
私、何だか落ち着かなくて。
お正月料理を作るお手伝いをしながら、ついあっしさんのことを考えてしまって。
「お嬢様、手が止まっておいでですよ」とばあやに叱られてしまいました。
もっともばあやは笑っていましたけれど。

果てしなく続くように思われた日々も、振り返ればあっという間だったような気がします。
ここでこうしてたくさんの人に囲まれて、温かな心持ちですごせています。
それは幸せなことですね。
感謝の気持ちでいっぱいです。


恐らくこれがあっしさんへの最後のお手紙なると思います。
手紙を書くたびに会長ぉが届けてくださってうれしかったです。
いつもお願いするのが申し訳ないくらい 一生懸命使命を果たそうと努力なさる姿の素晴らしい方です。
会長ぉはとってもいい方なんですよ、それはあっしさんもよくご存じですよね。
ただ頑張るあまり とても個性的な発想をなさるんです。
それが会長ぉの魅力なのですよ。



約束の日、
約束の時間、
きっとお目にかかれますよね?
声を聴かせてくださいますよね?


あっしさんに逢いに行きます。


あっしさん、


私のこと 見つけてくださいね。





2017-01-06(Fri)
 

会長ぉ、お嬢さんに間違えられる

THE STAR #10a


もう、お読みなった方もいらっしゃるでしょうね。
会長ぉが海を越え、雪まみれになりながら、あっしさんへお手紙を届けてくださいました。
今回は仮装をしなかったばかりに、あっしさんに誤解を受けてしまいましたね…
会長ぉ、ありがとうございました。

ここから⇒あっしなリダ同好会 * 十五通目のお手紙お届けしました

お留守番の間に始まった「あっしさんへの手紙」
スタートの頃と比べるとだいぶ趣旨が違ってきたように思いますが、それなりの体裁も整って物語として読んでいただけたかと思います。
会長ぉが書いてくださったように、ノンフィクションの部分も織り込んであります。
お嬢さんのお母様のお嫁入りのエピソードや、クリスマスツリーにまつわる通りがかりの人とのやりとりは実際にあった出来事です。
そんなリアルなエピソードを膨らませながら、楽しく書かせていただきました。
筆者の気分による不定期な更新でしたが、ここまで続けることができました。

会長ぉがお手紙を届けてくださるのも、とても楽しみでした。
今度はどんな風に届けてくださるのかと、どんな仮装なのかと。
想像をはるかに超えた内容に、拍手喝采でした。

楽しく待てる場所を提供してくださった、会長ぉに感謝です。
そこにはいつも穏やかで口元が緩む空気が流れていましたから。
これからもそんな拠り所を守っていただけたらうれしいです。
これからもにまにまさせてくださいね。


私の大好きなキャラクターのあっしさん。
これからもずっと会長ぉのところに顔を出してくださることと思います。
あっしなリダ同好会も存続することと思います。

あっしさんへの手紙は、次の手紙が最後になります。
たぶん…
あっしさんがお戻りになれば、お手紙は必要ありませんものね。

読んでくださった皆さまに、一足お先にご挨拶しておきますね。
お付き合いいただきありがとうございました。





2016-12-19(Mon)
 

あっしさんへの手紙 十五通目

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あっしさん、おかわりありませんか?
そちらの最低気温は氷点下の冷え込みなのですね。
どうぞ温かくしておすごしになってくださいね。
あとふた月そちらにいらっしゃらなければならないのですから、弟さんたちにあれもこれも差し上げるのは最後の最後にしてくださいませね。そうでないとご自分が寒い思いをなさいますよ。

こちらも寒さが厳しくなって参りました。
でも昼間は抜けるような青空が見え、夜は星の瞬きがことのほかよく見える、そんな澄んだ冷たい空気の中で過ごすのは清々しいものです。
師走とはよく言ったものですね。
何だか落ち着かない毎日で、気持ちばかり急いているようです。
だってあとふた月であっしさんに逢えるのですもの。

果てしなく長く感じられた毎日が、いつの間にかここまで来たんですね。
あっしさんは大切なお仕事なのだから、と自分に言い聞かせても心配で、寂しくて。
そんな日々がようやく終わりを告げるのですね。
そろそろお迎えに行く支度もしなければいけませんね。


今、我が家はクリスマスの支度の真っ最中です。
運転手の佐藤さんが見栄えのする庭の木を切ってくれると言ったのですが、クリスマスだけのために倒してしまうのは可哀想だと思ったんです。
ですからお父様に相談して庭に植わったまま飾り付けをすることにしました。
小さいときから飾り付けに使っていた星や天使たち。
お父様がお仕事でいらした独逸のクリスマスマーケットで買ってきてくださったキラキラしたオーナメント。
ばあやはクッキーを焼いて糸を通してくれました。

背の高いあっしさんがいらしたら、脚立を使わなくてもツリーのてっぺんに星をつけられるのに…
そんなことを考えながらみんなで飾り付けをしました。
雨が降ったら濡れないように透明のビニールを被せることにしました。
母屋から長い長い電気の線を引っ張って、佐藤さんが電飾をつけてくれました。
ぴかぴか点滅して綺麗ねと、いちばん喜んだのはお母様です。
やっぱり…でしょう?
それを見てお父様はにこにこ笑っていらっしゃいました。

陽が傾き掛けた頃、庭に目をやるとお年を召したお二人連れが、垣根越しにクリスマスツリーを眺めていらっしゃいました。
お散歩をしていたら点滅する光が見えて、吸い寄せられるように来てしまわれたとか。
洋食屋さんかと思いました、と笑っていらっしゃいました。
また、こちらへ散歩に来て見せていただきますね、とおっしゃってうれしそうに帰られました。
いつもは家族だけで楽しんでいたクリスマスツリーを他の方が楽しんでくださってうれしかったです。
次のクリスマスはあっしさんもご一緒に過せますね。


あっしさんは私のサンタクロース。
いつも幸せをプレゼントしてくださるから。
私にとっては毎日がクリスマス。
心に温かな明かりが灯るようです。
あっしさんがいらっしゃれば、それだけでいいんです。

心配することもなくなりますね。
もう、どこへも行かなくていいのですものね。
今はただ、あっしさんが何事もなく無事に元気で帰ってきてくださればそれだけでいい、と思っています。
その穏やかな笑顔を見せてくださればそれでいい、と思っています。

逢いたいです、とても。
もうすぐ、逢えますね。

その日までごきげんよう。




2016-12-11(Sun)
 
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